Amazon EC2 インスタンスの上限緩和申請時に確認しておくこと
はじめに
EC2インスタンスを実行させたいのに上限に引っかかりそれ以上実行できない場合、上限緩和申請を行います。 今回は上限緩和申請時に確認するポイントを書きたいと思います。
EC2インスタンス数の制限について
EC2インスタンスには実行できるインスタンス数に制限があり制限以上実行したい場合は上限緩和申請が必要になります。 上限緩和申請方法については以下ブログをご参照ください。
【超小ネタ】R3.4xlargeのEC2インスタンスの上限緩和は別途行わなければいけない、という話【備忘録】| Developers.io
またよくある質問に記載がありますが、新規の AWS アカウントでは記載されている制限より少ない数の場合や 個別の制限が設けられているインスタンスタイプが異なる場合もあります。
Q: Amazon EC2 で実行できるインスタンス数に上限はありますか? | EC2 よくある質問 新規の AWS アカウントでは、当初この上限よりも少ない数に制限されることがあります。 特定のインスタンスタイプでは、さらにリージョンごとに次のような制限があります
インスタンスタイプ | オンデマンドの制限 |
m4.4xlarge | 10 |
m4.10xlarge | 5 |
c4.4xlarge | 10 |
c4.8xlarge | 5 |
cg1.4xlarge | 2 |
hi1.4xlarge | 2 |
hs1.8xlarge | 2 |
cr1.8xlarge | 2 |
g2.2xlarge | 5 |
g2.8xlarge | 2 |
r3.4xlarge | 10 |
r3.8xlarge | 5 |
i2.xlarge | 8 |
i2.2xlarge | 8 |
i2.4xlarge | 4 |
i2.8xlarge | 2 |
d2.4xlarge | 10 |
d2.8xlarge | 5 |
t2.nano | 20 |
t2.micro | 20 |
t2.small | 20 |
t2.medium | 20 |
t2.large | 20 |
その他すべてのインスタンスタイプ | 20 |
AWS アカウントごとの制限についてはEC2マネジメントコンソールの「制限」から確認できます。
上限緩和申請の前に確認すること
1.リージョン全体の実行できるインスタンスの上限を確認する
EC2マネジメントコンソールから「制限」→「インスタンスの制限」の「実行中のオンデマンドインスタンスの数: EC2」で確認
2.実行したいインスタンスの上限を確認する
EC2マネジメントコンソールから「制限」→「インスタンスの制限」の「実行中のオンデマンドインスタンスの数: インスタンスタイプ」で確認
3.現在実行しているインスタンス数を確認する
EC2マネジメントコンソールから「EC2ダッシュボード」→「* 個の実行中のインスタンス」で確認
4.上限緩和したいインスタンスの実行数を確認する
EC2マネジメントコンソールから「インスタンス」検索で「インスタンスタイプ」「インスタンスタイプを入力」、「インスタンスの状態」「実行中」で確認
5.上限緩和する数を決める
先ほどの4つの項目から、上限緩和した際に実行したいインスタンスがいくつ実行できるか確認し上限緩和申請を行う際の数を決定します。
例えば以下の様な状態でm4.4xlargeをあと5インスタンス起動したい場合、 制限緩和リクエストはm4.4xlargeではなく、リージョン全体の実行できるインスタンスの上限に対して行う必要があります。 ただし、現在リージョン全体の実行できるインスタンスの上限緩和はできないので いずれかのインスタンスタイプ(その他すべてのインスタンスタイプもしくは個別のインスタンスタイプ)にて上限緩和が必要です。
リージョン全体の実行できるインスタンスの上限(合計) | 20 |
m4.4xlargeのインスタンスの上限 | 10 |
実行しているインスタンス数 | 20 |
m4.4xlargeのインスタンス実行数 | 5 |
Tips
- 個別のインスタンスタイプの制限を上限緩和しても、リージョン全体の合計数の制限値にかかった場合はインスタンスを実行できない
- いずれかのインスタンスタイプの上限緩和申請をした数がリージョン全体の合計数の制限値より多い場合、リージョン全体の合計数も同時に緩和される
まとめ
EC2インスタンスの上限緩和申請を実施する前に確認しておくべき点をご紹介しました。 インスタンスの上限緩和をしたのにインスタンスが起動できないことがありましたらこちらのブログを参考にご確認いただければと思います。